人材採用について、昨今の労働人口の減少、とりわけ若年層の労働力不足は、企業の経営基盤を揺るがしかねない問題として、採用担当者の頭を悩ませています。また、せっかく、雇用した新大卒などの新規採用者が、入社1年未満で退職するケースも非常に増えており、企業の採用方針及び育成方針を抜本的に見直さなければならない事態に陥っています。
これらの要因は、一つに少子高齢化による、若年層の絶対的な人数の減少、二つにゆとり教育による弊害が上げられています。さらには、長引く不況に伴い、リストラや新規採用の見送りを続けてきた影響が出ているのだと言われています。各企業においては、喫緊に現状を打破する取組みが求められており、従来型の採用方針からの脱却が試みられています。

若年層を確実に確保する人材採用の考え方

従来型の採用方針では、企業は求人広告を出せば、すぐにでも応募があるとの見地に立っていたことから、求職者に対して、高飛車な対応を行なっていたといえます。また、労働条件についても、単に給料や手当についてのみ示されているのが通例でした。
しかしながら、人々の仕事に対する考え方は、ライフスタイルの多様化とともに大きく変わってきています。例えば、これまでは入社すれば、その会社に尽くすのが美徳とされていましたが、現代では通用しません。給料や役職ばかりが目的ではなく、出世しなくとも、生活できるだけの給与があれば良いという人も少なくありません。
もちろん、たくさん働いて高給取りになりたい、上位役職を希望したいという社員もいます。こういった実情を踏まえ、社員区分を細分化し、将来、幹部を目指す者と転勤などを命じない代わりに、給与を一般の8割程度とする者を区別する採用制度を導入する企業も増えています。企業にとっては、要員不足を解消し、人件費の抑制にも効果がありますので、非常にメリットのある制度なのです。

人材採用と育成をセットで考える理由とは

新大卒、新高卒の早期退職については、出身校との関係を悪化させることにもなりかねない問題ですから、各企業とも非常に慎重に対策を講じています。早期退職をする社員は、社会人としての基盤が十分でなく、自滅してしまうケースが多く見受けられます。
そこで、各企業が導入しているのが、採用から社員育成までを一括管理する仕組みです。採用時に、社員区分を細分化することによって、幹部候補生か否かを定めるだけでなく、各コースに適した育成プログラムを作成し、社員の習熟度を見極めながら採用方針や育成方針の見直しを随時行なっていくものです。
また、一定期間、先輩社員を新入社員の相談役として指名するメンター制度なども効果の高い施策として、多くの企業に導入されており、採用と育成をセットとして考えていくことが、効率的に社員を集め、会社の有益な人材を育てる近道だと考えられているのです。